公国の大水源の一つであり、物流の要でもある”とるる大河”。
その流域はまとめて”とるる地方”と呼ばれています。
その名前は、タコが良く穫れることを自慢する
漁師の言葉が由来であると言われています。
農地の名産品であるトマトとあわせたスープは有名な郷土料理。
保存の効く瓶詰めが良いおみやげになるでしょう。
港町とるる
大きな灯台が目印の、とるる地方最大の港町。
古くから船による海路と馬車による陸路が交わる
交易の要衝として発展してきた。
必然的に宿場町としての機能も充実し、
要人を歓待する迎賓館も建てられている。
特産品であるタコ料理の品質証明として
タコ足を一本まるごと入れる伝統があり
その文化が、タコの足が突き出たガレットや
タコ焼きという名物を生み出した。
クキ農村
海と大河が交わるこの地方では
他の地域と違い、トマトがよく育つ。
ここで採れるトマトは特に質が良いと評判で、
公国各地へと出荷されている。
ゲーミング庄の赤色小麦と
この村のトマトで作った真っ赤なパスタは、
互いの地域の友好を示す
代表的な公国料理と言えるだろう。
プリンの森
プリンダイナソーザウルスという、この森にしか生息しない貴重な生物の存在が一部界隈で有名。
その背中の甲羅には植物が育ち、虫が棲み、
小さな森とも言える共生系が構築されている。
主な食性は虫。
プリンのような甘い匂いを漂わせており、
惹き寄せられた虫を捕食すると言われているが、
自らの背中で育った虫を
つまみぐいすることもあるという。
背中の小さな森では、そこにしか生育が確認されていない植物が発見されており
その利用価値には一定の期待が向けられている。
しかしめぼしい研究成果は得られず、
未だ謎の多い生き物である。
馬車駅
馬車による交易が盛んな開拓地だが、
起伏の大きな場所ではその通行も楽ではない。
そのため、特に地形が険しい地域周辺には
自然発生的に生まれた馬車駅が点在している。
大抵は簡素な宿や休憩所程度の施設ではあるが、
誰よりも利用者たち自身の手によって維持され
交易を行う商人のみならず
多くの旅人を助けたと言われている。
タイム川の
水車小屋
プリンの森の中を抜け、
とるる湾へと流れ込む小さな川がある。
そのほとりに建てられた水車小屋は
全ての公国民に開放され、
港町からほど近く自由に利用できる水車は
主に近隣住民の生活に大いに役立てられた。
逆回転する水車に巻き込まれ
過去への時間旅行を果たした旅人の伝説が
まことしやかにささやかれている。
とるる湾と
難破船
とるる河をはじめとしたいくつもの河川が合流し
海へと流れ出す大きな湾。
その船が沈んでしまった理由は定かではないが、
港町とるるを出港し間もなく湾に沈んだ大きな船は
長い間海中にあってなおその形を保ち続け
いつしか方舟地下聖堂と呼ばれるようになった。
積み込まれていたと言われる財宝を回収しようと挑むものは絶えないが、帰ってきたものは多くない。
落としてきたのが片足だけなら
運は良いほうなのだろう。